
化粧品のパッケージやラベル、化粧箱などを作成する際には、
デザインだけでなく「印刷」に関する知識も必要になります。
「入稿って何?」「CMYKって何?」「アウトラインって何?」など、
初めて入稿データを作成する方にとっては、
聞き慣れない言葉も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、入稿データを作成する前に知っておきたい、
基本的な印刷用語を分かりやすくご紹介します。
▶「入稿」に関する用語
・入稿
「入稿」とは、印刷会社やOEMメーカーなどに、
印刷に使用するデータを渡すことをいいます。
容器やラベルのデザインが完成した時に、
そのデータがそのまま印刷できるとは限りません。
印刷に適した形式や色設定、文字の処理など、
印刷に必要な条件に対応した状態にデータを整えたうえで、
印刷会社やOEMメーカーなどに渡します。
このときのデータを「入稿データ」と呼びます。
・版下(はんした)
「版下」とは、印刷物を作るために必要な、文字や画像、
デザインなどを配置した印刷用のデータを指します。
化粧品のパッケージやラベルでは、
「版下データを作成する」「版下を入稿する」
といった言葉が使われることがあります。
※「版下」が指す範囲やデータ形式は、
OEM会社や印刷会社によって異なる場合があります。
具体的な仕様については、事前に確認しましょう。
・校正・校了
校正とは、印刷する前に、文字やデザイン、色、
内容などに間違いがないか確認することです。
校了とは、確認や修正が完了し、
この内容で印刷を進めてよいと確定することをいいます。
〈デザイン作成から印刷までの一般的な流れ〉
▶印刷データの色に関する用語
・CMYK(シーエムワイケー)
印刷で表現される色の表現方式(色の三原色+黒)のことです。
・C(Cyan:シアン/青)
・M(Magenta:マゼンタ/赤紫)
・Y(Yellow:イエロー/黄)
・K(Key Plate:キープレート/黒)
印刷では、この4色のインクを組み合わせて、さまざまな色を表現します。
・RGB(アールジービー)
パソコンの画面やスマホ、デジタルカメラなどで使われる、
光の三原色による色の表現方式です。
・R(Red:赤)
・G(Green:緑)
・B(Blue:青)
◎印刷データはCMYKで作成を!
RGBはCMYKよりも表現できる色の範囲が広いため、
RGBで作成したデータを印刷すると、
画面で見た色と仕上がりの色が異なる場合があります。
印刷用データは、基本的にCMYKで作成しましょう。
・特色(スポットカラー/DIC・PANTONE)
CMYKの4色を掛け合わせるのではなく、
あらかじめ調合された専用インクで印刷する色のことです。
特色を指定するときは、「色見本帳」を使います。
代表的なものに、DIC(ディック)やPANTONE(パントーン)があります。
◎特色が使われるのはこんな時!
鮮やかな色やゴールド・シルバー、パステルカラーなど、
CMYKでは表現しにくい色を使いたい場合や、
ブランドカラーを指定したい場合などに使用されます。
▶仕上がりサイズ・位置に関する用語
・ 仕上がりサイズ
完成したパッケージやラベルの、実際の仕上がり寸法のことです。
箱であれば組み立てた状態、ラベルであれば
最終的に使用する状態でのサイズを指します。
・塗り足し(ヌリタシ)
印刷物を裁断する際の「わずかなズレ」によって、
パッケージの端に白い紙地が出ないよう、
仕上がりサイズよりも外側にはみ出させて作る領域のことです。
一般的に、仕上がりサイズから上下左右に3mm程度大きく、
背景や色を付けて作成します。
・トンボ(トリムマーク)
印刷物をカットする位置や、色を重ね合わせる位置を示すために、
データや用紙の四隅に配置するL字や十字の線のことです。
・内トンボ:仕上がりサイズ(カットする位置)を示す線
・外トンボ:塗り足しの外側の位置を示す線
・ 裁ち落とし(切り落とし)
印刷・加工の最終工程で、仕上がり位置に沿って印刷物を切り落とし、
指定された仕上がりサイズに裁断することを指します。
▶文字・画像に関する用語
・ フォント
「フォント」とは、文字の形やデザインの種類のことです。
同じ文字でも、フォントが変わると見た目や印象が変わります。
入稿データを作成するときには、フォントを正しく扱うことが大切です。
・ アウトライン化
フォント(文字データ)を、線と塗りで構成された
「図形(パスデータ)」に変換する作業のことです。
◎入稿データは必ずアウトライン化を!
アウトライン化していない文字は、
使用しているフォントが相手のパソコンにない場合、
別のフォントに置き換わったり、
レイアウトが崩れたりすることがあります。
入稿前には、文字をアウトライン化しておきましょう。
・画像解像度(dpi)
画像のきめ細かさを表す数値で、
「dpi(dots per inch)」という単位で表します。
印刷用の画像は、実際に印刷するサイズで見たときに
十分な解像度があることが大切です。
一般的なカラー印刷では、実寸で350dpi程度が目安です。
◎印刷に適した解像度か確認を!
スマートフォンで撮影した写真やWebサイトの画像は、
印刷すると粗く見える場合があります。
「Webで使える画像=印刷にも使える」とは限りません。
実際に印刷するサイズに対して十分な解像度があるか
事前に確認することが大切です。
・リンク画像
Illustratorなどのデザインデータ内に画像を直接埋め込まず、
外部の画像ファイルを読み込んで表示させる方法を「リンク」といいます。
画像をリンクさせることで、デザインデータの容量を
軽くできるメリットがあります。
◎「リンク切れ」とは?
リンク画像を使用したデータは、
画像ファイルとセットで扱う必要があります。
入稿時に配置した画像ファイルを一緒に渡さないと、
印刷会社側で画像が表示されなくなる場合があります。
この状態を「リンク切れ」といいます。
入稿時には、配置した画像ファイルも忘れずに渡しましょう。
・(画像の)埋め込み
画像をIllustratorなどのデザインデータの中に直接取り込むことです。
リンク画像とは異なり、画像ファイルを別途用意しなくても
デザインデータ内に画像情報を保持できます。
ただし、データ容量が大きくなる場合があるため、
入稿方法については印刷会社やOEMメーカーの指定を確認しましょう。
まとめ
化粧品のパッケージやラベルは、商品の第一印象を決める大切な顔です。
今回ご紹介した「入稿」「色」「サイズ」「文字・画像」などの
基本用語を理解しておけば、印刷に関するやり取りがスムーズになり、
データの確認や修正も行いやすくなります。
特に、入稿前には「指定されたデータ形式になっているか」
「文字や画像に問題がないか」など、
さまざまな点を確認する必要があります。
次回は、今回ご紹介した用語を踏まえ、
実際に入稿データを作成・確認する際に
気をつけたいポイントをご紹介します。
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