私たちの美容と健康に置いて欠かせない要素である、紫外線対策。
その紫外線防止用化粧品に対して、
「UV耐水性」という新しい表示基準が定められたことをご存じでしょうか。
2022年12月に耐水性表示の運用が始まり、
2年間の経過措置期間を経て2024年12月から耐水性をアピールするには
「UV耐水性」という表示が必要になります。
もうすぐ経過措置期間が終わるのに、「UV耐水性」のことがよくわからない!
と不安になる方もいるかもしれません。
そこで、今回は「UV耐水性」について解説したいと思います。
1.今までとこれから
今まで日本国内の紫外線防止用化粧品には、
汗や水濡れに強いことをアピールするために「ウォータープルーフ」などといった言葉を
使って表示していました。
しかし、各メーカーが独自の試験で耐水性を評価していたため、
その効果にはばらつきがあり、消費者は商品の比較がしづらいという現状がありました。
そこで業界団体が新たな基準を決めたのが「UV耐水性」です。
評価方法と表記が統一されることで、消費者は耐水性(商品性能)を比較し、
選択しやすくなります。
2.UV耐水性とは
さて、それではUV耐水性とはなんでしょうか?
UV耐水性とは「水に濡れる場面での紫外線防止効果の耐水性」のことです。
耐水性の新基準はISO18861の発行にともない、
日本化粧品工業連合会(当時)が
「日本化粧品工業連合会 紫外線防止効果に対する耐水性測定基準<2021年版>」を作成し
自主基準として2021年10月15日付で発出しました。
この基準では、水に濡れる前のSPF値が、
水に濡れた後にどの程度保持されるかを確認します。
この保持率が一定の基準を満たす場合に、「UV耐水性」と表示することができます。
具体的には下記のような表記のルールが定められています。
ISO18861で定められた測定法において
① 水浴条件が合計40分(20分×2回)で耐久性ありと判断された場合に
「UV耐水性★」と表記する。
② 水浴条件が合計80分(20分×4回)で耐久性ありと判断された場合に
「UV耐水性★★」と表記する。
③ 耐水性効果ありと判定される基準は、水浴前のSPFの値を100%としたとき、
水浴後のSPFの値が50%以上保たれたとき※
となっています。
※SPFの保持率(水浴前後のSPFから得られる耐水性)の平均値の90%信頼限界の下限値が
50%以上とされています。詳しくは耐水性試験の詳細をご確認ください。
読み方はそれぞれ、
「UV耐水性★」=「UV耐水性ワンスター」
「UV耐水性★★」=「UV耐水性ツースター」です。
3.表記の際のポイント
UV耐水性の表記についていくつかポイントを紹介します。
① 「UV耐水性★」と「UV耐水性☆」どちらでもOK
ISO18861の試験結果に基づき、「UV耐水性★★」や「UV耐水性★」と表示しますが、
星の塗りつぶしは任意のため「☆」でもOKです。
② 文字の大きさに制限はなし
文字サイズに制限はありませんが、併記することで正確に情報を伝えられるため、
耐水性表記だけを強調することはしないようにしてください。
③ 「UV耐水性」のみの表示はNG
耐水性をアピールする場合はSPFを必ず一緒に表記する必要があります。
「SPF」と「UV耐水性」はセットで表記することとされています。
※SPFとPAセットで表記が必要なため、
結果的に「UV耐水性」「SPF」「PA」は併記されます。
④ 汗に対する耐久性を表記することはNG
UV耐水性は水浴時のSPFの耐水性を測定しています。
この結果をもとに、「汗に強い」といった広告表現は行うことはできません。
⑤ 「ウォータープルーフ」という表現について
今まで使っていた「ウォータープルーフ」は使えなくなるの?と思う方もいるかもしれません。「ウォータープルーフ」などの耐水性を意図する表現を記載する場合は「UV耐水性」の表示を必ず行うことで記載が可能となっております。ただし「ウォータープルーフ」のみの表現はNGとなっていますので、ご注意ください。
4.まとめ
今回の「UV耐水性」は、消費者が正しく商品選びをできるようにするための
新しいルールです。
消費者のみなさまが安心して使用できる化粧品製造を、
私たちシーエスラボは大切にしています。
魅力的な化粧品を私たちと一緒に作りませんか?
シーエスラボでは、化粧品に関する法規制に詳しくない方もサポートできる体制を
整えております。
化粧品開発に興味がある!化粧品のここがわからない!
そんな方はぜひお気軽にお問い合わせください。